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吉例顔見世大歌舞伎 昼の部 2005.11.13 [歌舞伎]

今日は先週に引き続き、昼の部へ。
1階4列19番ととても良いお席。
染ちゃんが近くで観られると思うと嬉しいなぁー。

●「息子」
やはり3階席で拝見した時よりも周りが静かだったので舞台に集中できるのが良い。
雪の降る舞台では、信二郎演ずる捕吏がいかにも寒そうに登場するので何だか私まで寒々と感じてしまうようだ。
その中にポツンとある火がとても暖かに感じる。
歌六の頑固爺ぶりは更に増してきていて、その表情にも彼の性格が出ている。
捕吏を好かない老爺の顔、そして息子を案じてやまない父親の顔。
照明がほとんどない暗い舞台なので、その表情を読むのは大変ではあったがやはり前の席というのは有難いものだ。
染五郎の金次郎、もうすっかりツボの私。
登場場面からの立ち居振る舞いからして粋な男を感じるし、煙管のヤニを取る為に火にかざしたり藁で詰まったところを取り除いたりと細かな仕草もカッコいい!
先週拝見した時には金次郎は最初から父親だと思ってこの小屋に来たのではないかと書いたのだが、今回拝見して思ったのは最初は「ひょっとしたら…」といったところだったのではないかと思った。
そして火ダネがパチンと弾けて一瞬明るくなった時に、この老爺の顔をハッキリ見ることが出来て彼は確信するのだ。
金次郎の「ハッ」としたその表情がそれを物語っていた。
そして自分の顔を見られまいと顔を背ける。
金次郎の負い目がその行動から見て取れる。
老爺はどうだったのだろう…
最後まで息子とは分からなかったのか…
いや、私はやはりそんなことは無かったのではないかと思った。
やはり彼も「ひょっとしたら…」という思いがあったのではないだろうか。
だからこそ、金次郎の知っている者達の話ばかりをしたのではないだろうか。
金次郎が捕吏に掴まった時に、父親に自分だと知られるのだけを拒んだのはなんとも哀しい。
それでも父への愛情から、「ちゃん」と呼んだ時の声の調子が先週と変わっていた。
何と哀しげで愛おしげで切ないのだろう…
やはり染五郎はこういう感情を表現する演技が上手いのだ。

捕吏と金次郎の捕り物場面での染ちゃんのフンドシが見えるところにドキドキしちゃった。
ああ、何見てドキドキしてるんでしょう、私(笑)。


●「熊谷陣屋」
今回のこの直実では仁左衛門はいつもと違う台詞回しだ。
武将らしい重厚な台詞回しをしている。
花道からの登場場面から既に直実の深い胸中が窺い知れる彼の演技。
それはもう素晴らしいとしかいいようがない。
この演技力は花道での引っ込みの時にも遺憾なく発揮されていた。
出家をした身とはいえまだ武将としての心が残っている彼は戦の法螺貝の音に心を揺さぶられ、それを聴かぬようにと耳を塞ぎながら苦悩する。
この苦悶の表情に涙が溢れてくる。
彼自身もまるで泣いているようだ…

雀右衛門の相模も細かな心情が出ていて、さすがだなぁーと関心することばかりだ。
足元は先週よりも更に覚束なく心配だが、それを演技力で見事にカバーしている。
それにしても、この相模という人は本当に可哀想…
自分に何の断りもなく息子を殺され、挙句の果てにはこれまた何の断りもなくダンナは出家してしまうなんて…
この時代のオンナは本当に大変だったんだねぇ~。


●「雨の五郎」
近くで観るとやっぱり吉右衛門の顔はデカいっ!(笑)
特に頬かむりをしている登場場面では思わず「で、デカっ!」と言ってしまうくらいだ。
愛嬌のある踊りは今回は随分と足元も良くなっている。
短い時間の演目だが本当にアッと言う間という印象だ。
今月の歌舞伎座はこの演目でもトンボを返る役者さんが沢山いるが、この「きっかけ」をほぼ吉右衛門が出している。
「はっ」という声が何度も聞こえたのだが、これがとっても色っぽい。

こういうオトコの人の掛声って好きだわぁ~。


●「うかれ坊主」
先週拝見した時よりも富十郎が疲れているように感じた。
それでも踊りはさすがに上手いのだけれど、先週の時のようなキレを感じさせない。
そろそろ疲れてきている頃なのかなぁ~。


●「人情噺文七元結」
幸四郎の長兵衛がだいぶこなれてきたように感じる。
元々台詞回しの上手な方なので、意地っ張りでバカ正直な江戸っ子の風情はその台詞だけで表現できるのだろう。
見た目はやっぱり職人には見えないんだけどねー(笑)
女房のお兼はやっぱり個人的には不満…
痴話喧嘩にしてももっと派手にやって欲しい。
これじゃあ、夫婦喧嘩というよりも親子喧嘩のようなんだよねぇ~。
まぁ、こんなオトコの女房じゃあ母親のようになっちゃうのは仕方ないのかも知れないんだけどさー。
染五郎の文七は更に柔らかさが出てきていていた。
長兵衛との掛け合いはもう絶品といっていい位の間合いの良さ。
表情の変わり方や台詞の緩急の付け方が本当に上手いと思う。
長兵衛の長屋での染ちゃん、今回はやっとここで明るいところでの顔を拝見出来る(笑)。
だって「息子」でも暗い舞台だったし、長兵衛と出会う河原の場面も暗かったし…
あ~、やっぱりキレイだわ~。


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コメント 4

ほー、「ちゃん」が良くなっていましたか。
それは楽しみですわ。
私、舞台写真買ってしまいました…。
by (2005-11-21 20:31) 

愛染かつら

もーもー様
私も舞台写真、買っちゃいましたよ~。
明日はまた昼の部を観に行くのですけれど、楽しみです。
by 愛染かつら (2005-11-22 16:51) 

air

こんばんは。
恐れ多くも、トラックバックさせていただきました。
昼の染五郎もステキでした……♪
by air (2005-11-23 22:52) 

愛染かつら

air様
TBありがとうございます。
今日は3回目の昼の部に行って参りました。
やっぱり染ちゃんはステキです~♪
by 愛染かつら (2005-11-24 00:30) 

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吉例顔見世歌舞伎鑑賞記 ~昼の部~(Wonderful Days in the air 2005-11-23 22:44)

 吉例顔見世歌舞伎の昼の部を観てきました。 やっぱり染五郎はいいッ! そしてその父もステキですッ!言わずもがな、幸四郎さんですが。いやぁ、お父さんについては初めてそう思いましたねぇ。  『文七元結』で染五郎さんが文七を、幸四郎さんが長兵衛を務めました。 父・長兵衛の酒と博打が原因で諍いが…[続く]

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